占領下の日本で日本国憲法作成のメンバーだったベアテ・シロタ・ゴードンさんについて知りました。ベアテさんは進駐軍の通訳として戦後すぐに日本に来ました。ベアテさんは5歳から両親と日本に住んでいて15歳の時にアメリカの女子大に留学中に第2次世界大戦が始まり両親の住む日本には帰れなくなりました。大学卒業後「TIME」に就職していた時に進駐軍の通訳を募集に応募して日本に来ました。

そして通訳をしているうちにある時突然、憲法草案のメンバーに命ぜられ女性の立場として憲法を書くことになったそうです。ベアテさんは日本に住んでいたときに家で働いていた女中さんから日本女性の立場を聞いていたし、日本の女性の置かれている状況を実際に見ていたので、どうしても女性が男性と同じように権利を持てるように憲法に入れたいと考えたそうです。



日本の女性の権利は、明治憲法下では全くと言っていいほど認められていませんでした。

男は浮気をしても積荷はなりませんが女性が浮気をすると姦通罪になりました。

当時の女性は政治の参政権も無く、財産権も無く、親の勝手で結婚を決めて本人の自由は無く、また子どもを産めないからといって離婚させられたりしていたそうです。

妻は夫に反抗することは許されずみんなうつむき加減に生きていた。

そんな日本の女性の現状をしっていたので憲法の中にぜひ女性の権利を認めるものを入れたいと知恵と勇気を持って作成にあたっていました。



私は日本の憲法は進駐軍が作ったという事は知っていましたが、その作成についてのいきさつについてはまるで知りませんでした。ちまたで言われているのはやはり「日本が作った憲法ではなくアメリカによって書かれた、、、、」とネガティブなものがほとんどでした。



以前、中丸薫さんの書かれた文書の中に「日本の憲法は、世界に類を見ない素晴らしいもので神からいただいた憲法なのだ」というのを読んだことがありますが、ベアテさんの憲法作成への思いを知ってまさに「神からいただいたもの」だったのかも知れないと思いました。

 

戦後の日本政府の憲法草案も明治憲法を多少、変更しただけのものであり、それを進駐軍によって大幅に変えられた。日本政府がこだわったのは天皇制の存続についてだけだと聞いていました。

ベアテさんのインタビューでは憲法の話し合いの会議はアメリカ側と日本政府の間で議論されたのですが、日本政府は天皇制と同じくらい女性の権利を憲法に盛り込むことに強い反発があったそうです。

日本の政府は「経済優先」で福祉や安全をおろそかにしてきたのですから。




ベアテさんのインタビューを聞いていて、当時の日本女性の置かれていた立場を客観的に女性の立場として見れたベアテさんがいなければ、今の憲法は無かったと思いました。



 ベアテさんの憲法草案のなかで却下になったものに

『妊婦と幼児をもつ母親は、国から援助される。必要な場合、既婚、未婚を問わず、国から援助が受けられる。私生児は法的に差別を受けず、法的に認められた子どもと同様に、身体的、知的、社会的に成長することにおいての権利を持つ。』というのがありました。



 ベアテさんの最初に作った憲法の草案がもし、、、、そのまま憲法として入っていたら、、、

今の日本はだいぶ違っていたと思いました。まず、少子化は起こっていなかったかもしれませんね。



女性は高学歴化、結婚の高年齢化、独身主義などと変化している。

結婚はしたい気持ちがあっても、、、、、できればなるべく遅く結婚したい、、、、または、しなくてもいい。そういう風に女性が考えるのは、女性が結婚しても本当に幸せになれると思えるような社会の現状ではないからでしょうね。



結婚したら昔よりはましになったとはいえ、現実には夫や家というものに少なからず犠牲になる、、、、。男性は結婚しても利点は多いかも知れないが女性は仕事、家事、子育てなどの負担は増すばかりである。こんな社会で安心して結婚して子どもを産んで育てていくことは本当に大変なことの連続なのだから。



でも、もしベアテさんの憲法草案がそのまま通っていたら(他にもいくつかありますが)結婚しても、子どもを産むことも育てることももっと安心出来たと思うし、社会の中で守られて子どもを産み、育てることが出来たと思う。



 憲法を改正するならばもっと現状に見合った国民全体が幸せになれるような改正でなければ社会全体にゆがみが大きくなると思う。



しかし、今の自民党の出している憲法改正の案は、まさに時代と人々のニーズに逆行するものになっているのだから。



私たちは無関心にしているとそ~っと忍び足でやってきて憲法に盛り込まれましたから

もうだめです!!ということにならないように目を見張っていなければならないと思う。